2011年06月17日

朝日新聞2011年6月7日(FRI)アフガンへ陸自派遣要求

<朝日新聞国際版1面見出し>
アフガンへ陸自派遣要求
米ブッシュ前大統領、サミット時に
08年外交公電


<asahi.com 見出し>
米国、アフガン支援「陸自の大型輸送機派遣を」 米公電

2011年6月17日3時2分
http://www.asahi.com/special/wikileaks/TKY201106160680.html

[リード] 日本政府がアフガニスタン復興支援拡大を検討していたさなかの2008年7月、北海道洞爺湖サミットに合わせて行われた日米首脳会談で、ブッシュ米大統領が福田康夫首相(いずれも当時)に対し、アフガン本土への自衛隊派遣を具体的な選択肢を挙げて要求していたことが分かった。

 朝日新聞が内部告発サイト「ウィキリークス」から提供を受けた米公電の中に記述があった。

 08年8月にバウチャー米国務次官補(当時)が訪日するのを前に、東京の米大使館がシーファー大使(同)名で同次官補あてに送った事前説明の公電に、同年7月6日に洞爺湖であった日米首脳会談に関する記述が盛り込まれている。

 それによると、ブッシュ氏は首脳会談で福田氏に対し「日本はアフガンに中身のある支援をする必要がある」「形だけの貢献は適当でないし、歓迎もされない」と強い調子で要求した。「(陸自の)CH47大型輸送ヘリを派遣するか、軍民一体型のPRT(地域復興チーム)を担当するか」と具体的に求めた。

 しかし福田氏は「陸自の大規模派遣は不可能」と返答したという。米側は、自らの政権基盤の弱さを理由にしたと受け止めた。

 日本政府は08年初夏、イラクでの空自による輸送支援を打ち切るのに合わせ、アフガンへの新たな復興支援策を検討中だった。CH47を使った多国籍軍基地間の輸送や、PRTに自衛隊員を送る案も検討項目にあがっていた。だが、自民と連立を組む公明党が反対し、野党だった民主党が参院の多数を握る状況で、必要な新法を通すめどはたっていなかった。

 サミット前の6月、東京の米大使館が米国務省に送った複数の公電には、防衛省や外務省の幹部が、「政治家や世論の合意を得ることが困難」と、アフガン本土での支援活動は困難という見通しを米大使館幹部にすでに伝えていたことが記されている。

 6月に在日米大使館がシーファー大使名で国務省に打電した、日本のアフガン支援策づくりに関する分析がある。この公電からは、米側関係者らが、日本がホスト国となるサミットの時が日本をアフガン本土での支援活動に引き込む好機と考え、首脳同士による直接要求を仕掛けたことがうかがえる。

 この公電は末尾で「気候変動など、ほかの政策で日米間の意見の相違が見えてきた結果、日本はサミットの成功をますます気にかけるようになっている。サミットの準備段階が、日本に実質的なアフガン貢献をさせる最大のチャンスだ」と強調していた。

 洞爺湖サミットで主要議題だった気候変動問題で米国側から譲歩を引き出し、会合を成功裏に終わらせるため、日本はアフガン本土での支援活動を決断するのではないか。その読みから、公電は「国務長官と大統領がそれぞれ、日本で会談相手に要求すれば結果を得られるかもしれない」と結論づけた。

 だが、日本の内政はそうした政策決定に至るだけの状況になかった。福田政権、続く麻生政権は自衛隊のアフガン本土派遣を見送る。民主党に政権が代わった後も、09年に鳩山政権が発表した追加支援策は、5年間で50億ドル(当時のレートで約4500億円)という財政支援だけに限られた。(段落の区切りかたが紙面と違うが内容はほぼ同じ)



以上が朝日新聞国際版1面掲載の記事(1面トップは「福島県民30年健康調査 内部被曝先行測定」)で、三面に分析記事。この記事はasahi.comには掲載されておらず、デジタルページ(有料)にあったのでとりあえず見出しのみ拾っておく。



<朝日新聞国際版3面見出し>
米、日本説得へ包囲網
「共同戦線で要求 肝要」

公電分析


[中見出し 「丸め込める」一時自信]

[図 主要国のアフガンへの部隊派遣]

[カコミ 米の影響力低下 交渉手法に反映 孫崎亨・元外務省国際情報局長の話]



議論を呼びたいのであれば、朝日新聞は公電関連の記事は全面的に公開すべきだ。日本では朝日新聞1社ががエージェントになっているのだから、それは義務だとさえ言える(それに宅配契約で売る日本の新聞は記事の一部を公開したところで販売数に響くとは思えない)。

それどころか、ウェブサイトでは紙面ではできないことも展開できるはず。記事のベースになった公電を朝日のウェブサイトに取り込むこともできるし、公電の全訳を付けろとまでは言わないから、せめてウィキリークスの該当ページへのリンクぐらい張ったらどうだろう。公電分析チームのブログやツイッターがあればasahi.comの訪問者が増えるだろうし、そうなればasahi.comへの広告出稿の価値が上がる。



posted by nfsw19 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月16日

朝日新聞2011年6月16日(THU) クラスター禁止条約への日本加盟をめぐる公電分析

<朝日新聞国際版一面見出し>
クラスター弾禁止条約
米、日本加盟を懸念

米外交公電
「在日米軍に制約」


<asahi.comm見出し>
クラスター弾禁止条約、米が日本加盟に懸念 米外交公電

2011年6月16日3時0分 朝日新聞
http://www.asahi.com/special/wikileaks/TKY201106150692.html

[リード] 深刻な不発弾被害が問題になるクラスター爆弾の禁止条約作りに加わった日本に対し、規制に反対する米国が、在日米軍再編への悪影響などを理由に懸念を表明していた。朝日新聞が内部告発サイト「ウィキリークス」から提供を受けた複数の米外交公電に、その過程が記されていた。

 クラスター爆弾禁止条約は2007年2月、ノルウェー・オスロでの会議で交渉が開始。日本も批准して10年に発効した。米国はクラスター弾は作戦上有用として条約に反対、署名していない。米国は条約上義務は負わないが、同盟国日本の加盟で、クラスター弾を使った在日米軍の活動が制約されると強く懸念していた。

 公電によると、オスロ会議の約2カ月後、日米当局者がクラスター爆弾問題を協議。ルジェロ国務次官補代理が「クラスター爆弾の使用が規制されれば、米国の友邦防衛に影響を与える」と述べ、日本を防衛する在日米軍の能力が損なわれると主張した。

 在日米軍のラーセン副司令官は、日本が規制に加われば「自衛隊や日本の請負業者はクラスター爆弾を取り扱えなくなり、それだけ米兵が余分に必要になる。在日米軍部隊の削減交渉をしている矢先に部隊を増やすことになる」と発言。在日米軍再編への悪影響にからめた具体的な米側の指摘に「日本側の参加者はひどく驚いていた」と公電は記している。

 条約作りが大詰めに入った08年4月にも、在日米軍当局者は外務、防衛両省当局者との協議の場で「米軍が日本でクラスター爆弾を保管、搭載できなくなれば、有事の際、米軍戦闘機を日本に持って来られない」と、具体的な作戦上の問題を挙げた。

 日本側は米側の懸念に理解を示していたようだ。07年4月の米大使館の公電は「米国との安全保障の取り決めを最大限に重視し、日米の防衛関係の妨げになるような議論は認めない」との心証を日本側から得たと記している。

 日本側は、在日米軍の活動に影響させない条文にするための交渉を行った、とも米側に伝えている。

 クラスター爆弾の「取得」は、条約草案の段階から禁止対象だった。公電によると、日本は条約の文言が合意された08年のダブリン会議で、この「取得」禁止条項を条文から削ろうとし、失敗した。代替策として、「取得」は所有権まで含んだ概念だという日本独自の条文解釈を、会議で一方的に宣言した。有事に自衛隊が米軍のクラスター弾を輸送しても、所有権が米側から日本側に移っておらず「取得」ではない、という理屈だ。

 こうした日本側の動きもあり、結果的に在日米軍は引き続きクラスター爆弾を持ち、使用できることになった。一方、自衛隊が保有する計約1万4千発(10年10月現在)のクラスター爆弾は、条約加盟で8年以内に廃棄することになった。(青字部分は紙面になし)



以上が朝日新聞国際版1面掲載の記事(1面トップは「脱原発」に関する知事アンケートで、これも興味深かった)だが、実は三面の解説記事/分析記事のほうがずっと面白かった(個人的には英国の立ち回りかたが特に興味深かった)。しかし、この記事はasahi.comで見つけられなかったのでとりあえず見出しのみ拾っておく。



<朝日新聞国際版3面見出し>
クラスター禁止条約に参加
日本官僚二つの顔
米国には消極姿勢繰り返す

米外交公電分析


[図表1/写真 オスロ・プロセスの動き]
[図表2 クラスター禁止条約をめぐる主要国の立場]
[キーワード解説 クラスター爆弾]

[中見出し 世論・メディアの圧力強調
      都合の悪い情報「穏便に」
]


ラベル:日本
posted by nfsw19 at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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